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このたびの新藤兼人監督のご逝去を深く悼みます。
監督が故郷広島へ込められた思いを大切に受け継ぐとともに、
心からご冥福をお祈り申し上げます。

事業報告

1 事業の概要

●事業期間(記念イベント実施期間):

平成24年3月31日(土)~5月27日(日)

●目的:

広島の名誉県民であり、広島、三原の名誉市民である新藤兼人監督の人生、
百年の軌跡を紹介し、新藤監督が生涯をかけて作品に込めた思いを国内外に広く発信する。

●事業内容:

記念上映事業(監督作品48本 全県下一挙公開 平成24年4月~5月)、
記念展示事業、記念トークイベント・ゲスト招聘事業、
記念グッズ制作・販売事業、支援の会活動

●主催:

「新藤兼人 百年の軌跡」実行委員会

委員会構成団体:

広島県、広島市、(財)広島市未来都市創造財団、広島商工会議所、
(社)広島青年会議所、広島市中央部商店街振興組合連合会、
中国新聞社、中国放送、広島テレビ、広島ホームテレビ、テレビ新広島、
広島エフエム放送、FMちゅーピー76.6MHz

●協賛:

広島ガス(株)、(株)広島銀行、広島信用金庫、(株)もみじ銀行、
広島電鉄(株)、オタフクソース(株)、(株)NTTデータ中国、生活協同組合ひろしま、
山下江法律事務所、基町クレド・パセーラ、 (株)中国新聞社、
(株)中国放送、広島テレビ放送(株)、(株)広島ホームテレビ、(株)テレビ新広島

●後援:

広島県教育委員会、広島市教育委員会、広島経済同友会、
(社)広島県観光連盟、(財)広島観光コンベンションビューロー

●特別協力:

新藤次郎(近代映画協会)

●協力:

広島県興行生活衛生同業組合、広島市映像文化ライブラリー、
広島市立中央図書館、広島フィルム・コミッション、NTTクレドホール、
佐伯区役所、五日市商工会、石内公民館、石内まちづくり協議会、佐伯区コミュニティ交流協議会、
広島文化会議準備会

●事務局:

「新藤兼人 百年の軌跡」実行委員会 事務局

〒730-0035 広島市中区本通1-6 ミタキヤビル4F NPO法人セトラひろしま内
TEL:082-545-7611 FAX:082-545-7612 
e-mail:mail sindo100 at cetraドットジェイピー
公式ホームページ:http://hyakunennokiseki.web.fc2.com

2 事業内容の報告

【記念上映事業】 監督作品48本 全県下一挙公開 平成24年4月~5月

●広島市映像文化ライブラリー 《監督作品35本上映》
期間:

4月6日(金)~5月27日(日)

上映作品:

「愛妻物語」「雪崩」「縮図」「女の一生」「どぶ」「狼」「銀心中」
「流離の岸」「女優」「海の野郎ども」「悲しみは女だけに」「花嫁さんは世界一」
「らくがき黒板」「恋人たち」「人間」「悪党」「本能」「尖石遺跡」「蓼科の四季」
「性の起原」「藪の中の黒猫」「強虫女と弱虫男」「かげろう」「触角」「鉄輪」「讃歌」
「心」 「わが道」「絞殺」「北斎漫画」「ブラックボード」「落葉樹」「さくら隊散る」
「濹東綺譚」「生きたい」

鑑賞料:

大人500円 こども250円 (一部、大人370円、こども180円)

来場者数

・4月 (17作品、17プログラム、34回、13日上映)……4,010人 
(1回平均118人、1日平均308人)

・5月 (18作品、16プログラム、32回、13日上映)……3,937人 
(1回平均123人、1日平均303人)

・4月・5月合計 (35作品、33プログラム、66回、26日上映)……7,947人 
(1回平均120人、1日平均306人)

●広島県興行生活衛生同業組合加盟映画館 《監督作品13本上映》
上映館:

シネツイン本通り、広島バルト11、109シネマズ広島、
ワーナー・マイカル・シネマズ広島、T・ジョイ東広島、呉ポポロ、シネフクシネマモード、
シネマ尾道、三原リージョンプラザ

入場料:

どの上映会場でも共通して1,000円。「上映協力券」(1,000円)も発行。

全上映館入場者数:

1,975名

●NTTクレドホール・プレミアム上映会
期間:

5月11日(金)、12日(土)、13日(日)
○場所:NTTクレドホール

上映作品:

監督作品3本 「裸の島」 「三文役者」 「ふくろう」

■5月11日(金)

19:00-20:00 「ティーチイン」
ベニチオ・デル・トロ(俳優・映画監督)、平川典俊(アーティスト)、 新藤次郎(近代映画協会)
司会・進行:ポーリーン

20:00- 「裸の島」上映

■5月12日(土)

11:00-11:30 新藤次郎 トークショー*聞き手:鈴木由貴子
11:30-「裸の島」上映

14:00-「ふくろう」上映 
16:00-16:30 六平直政 トークショー

17:30-18:00 六平直政氏 トークショー
18:00-「三文役者」上映

■5月13日(日)

11:00-「三文役者」上映
13:00-13:15 佐藤武 トークショー*聞き手:鈴木由貴子

14:00-「裸の島」上映
15:30-16:00 部谷京子×ポーリーン トークショー

17:30-「ふくろう」上映
19:30-20:00佐藤武 トークショー*聞き手:鈴木由貴子

鑑賞料:

NTTクレドホール3日間共通券1,000円

入場者数:

1,011人(11日:363人、12日:353人、13日:295人)

チケット販売実績:

「上映協力券」:65枚 「NTTクレドホール3日間共通券」:2,584枚

内訳:
1. プレイガイド及び上映会場
(プレイデオデオ本店、福屋広島駅前店チケットサロン、広島県下監督作品上映映画館、
広島市映像文化ライブラリー、生協販売):1,151枚

2.一般手売り(主に実行委員会メンバー個人及び「支援の会」メンバーによる):633枚

3.大口預け(広島市・広島県・ギャラリーG・佐伯区・石内公民館YMCA・森信建設):691枚

4.当日券販売:109枚

【記念展示事業】

●「新藤兼人 百年の軌跡」記念展示 -100年前の石内にふれる-
期間:

4月7日(土)~24日(火) 10:00~19:00

場所:

旧日本銀行広島支店

内容:

展示:監督の映画作りの原点を探るために、
生まれ育った石内村(現在の広島市佐伯区)と家族に焦点をあて、以下の3本の柱で構成された。

1.【映画セット】新藤兼人少年が通っていた尋常高等小学校教室の再現セット、
及び住まいにしていた蔵の再現セットの展示。
2.【模型】百年前の石内村をジオラマ展示。
3.【映像】出山知樹監督が撮影・編集した映像「新藤兼人と石内~母の面影」(21’40”)の映写

展示構成監修:

部谷京子(美術監督)

来場者実績:

7,164名(18日/1日平均:398名)

●イベント
《オープニング・テープカット》
日時:

4月7日(土) 9:50~10:30

場所:

旧日本銀行広島支店 1Fロビー

内容:

挨拶、テープカット、展示見学

テープカット者:

広島県知事 湯﨑 英彦、広島市長 松井 一實、柄本明(ゲスト:俳優)、主催者 委員長 蔵本順子
*音楽演奏:沖田孝司(ビオラ)、沖田千春(キーボード)

《~祝! 100歳~ 記念イベント》
2会場で先着100名さまにお祝いのお菓子をプレゼント
日時:

平成24年4月22日(日)

内容:

新藤監督の誕生日に、本イベントにご来場の先着100名にもみじまんじゅうをプレゼントした。

配布場所:

映画上映会場 シネツイン本通り、記念展示会場 旧日本銀行広島支店 各100名

お菓子提供:

株式会社にしき堂

特別図画教室「カネトくんを描こう!」

新藤兼人監督の肖像画を自由に描く特別図画教室を開催した。

日時:

平成24年4月22日(日) 13:00~15:00

場所:

旧日銀内石内尋常高等小学校セット

参加者:

11名

●企画展「新藤兼人を読み解く100冊」
期間:

4月8日(日)~5月27日(日)

場所:

広島市立中央図書館2階展示ホール

内容:

精力的に執筆活動を続ける新藤兼人監督の著書を中心に、
自筆原稿、シナリオ、映画ポスターなどを展示。
映画や故郷、戦争と平和、家族といったテーマについて、
新藤監督が書き、語ったメッセージを紹介。
また旧日本銀行広島支店における記念展示終了後、
4月26日より終了日まで「蔵」の再現セットを移設展示した。

来場者実績:

3,565名(42日間) 

通常の企画展と比べても様々な方面から注目をいただき、
広島県外からの問合わせもあり大変充実した事業となった。
新藤監督の著書の人気も高く、貸出用に準備していた多くが「貸出中」となっている。

【記念トークイベント・ゲスト招聘事業】

●オープニングイベントヘの柄本明(俳優)氏招聘
広島滞在日:

4月5日~8日

出演番組・舞台挨拶等:
4月6日

NHK「お好みワイド」、HFM「だんRUNラジオ」、RCC「横山雄二ショー」、
RCC「いまなま3チャンネル」、FMちゅーピー「広島スマイルパフェ」、
109シネマズ「舞台挨拶」、TSS「スーパーニュース」、

4月7日

旧日銀「テープカット、挨拶」、ホームテレビ「Jステーション」、
シネツイン本通り「舞台挨拶」、バルト11「舞台挨拶」 

4月8日

映像文化ライブラリー「舞台挨拶」、FMちゅーピー「インタビュー」

歓迎会「俳優・柄本明さんを囲んで」

4月7日(土) 18:00

場所:

グランカフェ Grand Café 

会費:

5,000円

参加者:

75名(内会費徴収:70名)

●オスカー俳優 ベニチオ・デル・トロ氏招聘
広島滞在日:

5月9日~12日

新藤兼人回顧展をニューヨークで開催した世界の名優ベニチオ・デル・トロ氏を、
また同氏のよき理解者であり協力者である平川典俊氏(アーティスト)と
新藤次郎氏(近代映画協会)を、NTTクレドホール・プレミアム上映会開催に合わせて招聘した。

ベニチオ・デル・トロ氏一行の行動:
5月10日(木)

宿祢島(映画「裸の島」ロケ地)・佐木島を訪問・三原市長表敬訪問 

5月11日(金)

原爆死没者慰霊碑参拝・献花・平和記念資料館視察・
広島市長表敬訪問(広島市役所)・合同記者会見(NTTクレドホール) 

19:00-ティーチ・イン(NTTクレドホール) 
20:30-プレミアムパーティ(リーガロイヤルホテル)

5月12日(土)

12:00-12:10 映画「原爆の子」上映後舞台あいさつ(八丁座)

《「新藤兼人 百年の軌跡」プレミアム・パーティー》

5月11日(金) 20:30~22:00(開場20:00) 

会場:

リーガロイヤルホテル4F クリスタルホール

内容:

新藤兼人監督100歳を祝う会 

挨拶:

広島県知事・湯﨑英彦、広島市長・松井一實  

ゲスト:

ベニチオ・デル・トロ(俳優・映画監督)、平川典俊(アーティスト)、六平直政(俳優)、新藤次郎(近代映画協会) 

祝演:

榊記彌栄(筝)・石内より獅子舞『湯戸(ゆど)のお獅子さん』

司会・進行:

ポーリーン・キムラミチタ 

会費

10,000円 

参加者:

184名(内会費徴収144名)

●六平直政氏(俳優)の招聘
広島滞在日:

5月11日~12日

トークショー・舞台挨拶等:
5月12日(土):

12:00-12:10 
ベニチオ・デル・トロ氏とともに映画「原爆の子」上映後舞台あいさつ(八丁座)

16:00-16:30及び17:30-18:00 
2回のトークショー(NTTクレドホール・プレミアム上映会)

【記念グッズ制作・販売事業】

●台本風プレミアム手帳:

台本風にした手帳。
全作品の解説や記念展示の内容、新藤監督作品の広島県内ロケマップなど多彩な内容。

定価:700円(税込み)  
販売場所:新藤監督作品上映会場・県内書店他、Amazon。 制作数:2,000部

●台本バッグ:

台本の大きさに合わせたバッグ。
新藤監督作品にちなんだ手描きのイラスト入りですべて模様が違う一点もの。

定価:3,000円(税込み)  
販売場所:新藤監督作品上映会場、ミュージアムショップ他 
制作数:290ヶ

●クリアファイル:

「新藤兼人 百年の軌跡」オリジナルロゴ入り記念のファイル。

定価:350円(税込み)  
販売場所:新藤監督作品上映会場、ミュージアムショップ他  
制作数:1,000枚

【「新藤兼人 百年の軌跡」支援の会活動】

本事業の趣旨に賛同する市民の方々とともに「支援の会」を結成し、
本プロジェクトへの支援活動を行った。
旧日銀での記念展示やNTTクレドホール・プレミアム上映会における受付や
グッズ販売ボランティア・スタッフとして、またチケット販売等へ協力いただいた。

●第1回支援の会(発足会)

日時:平成24年3月3日(土)15:00~17:00 
場所:広島観光コンベンションビューロー 3階会議室 参加者50名

●「新藤兼人 百年の軌跡」プレミアム試写会&第2回支援の会

日時:平成24年3月17日(土)17:00~21:00 
場所:広島市まちづくり市民交流プラザ北棟6Fマルチメディアスタジオ 

内容:「裸の島」上映・新藤監督ドキュメンタリーDVD(川本昭人氏撮影)上映 
・元石内小学校校長・木村照男氏のお話し 参加者:60名

3 観客動員実績

記念上映

●広島市映像文化ライブラリー:7,947人
●NTTクレドホール・プレミアム上映会:1,011人
●広島県興行生活衛生同業組合加盟映画館:1,975名 
合計:10,933名

記念展示

●旧日本銀行広島支店:7,164名  
●広島市立中央図書館:3,565名 
合計:10,729名

その他の事業

●プレミアム試写会:60名 
●歓迎会「俳優・柄本明さんを囲んで」:75名  
●プレミアム・パーティー:184名
合計:319名

総動員数

21,981名

4 総 括

《監督が故郷広島へ込めた思いを受け継ぐ》
新藤兼人監督の百歳のお祝いに、全県下で、監督作品48作品の上映というかつてない企画や、
監督の郷里広島ならではの展示企画の実現ができ、
上映企画・展示企画と観客動員が2万2千人を数えたことは
誠に嬉しく有意義であったと思います。

短期間の準備で内容もほぼ計画通りに実現できたことも評価されるべきことと感じます。

事業終了後、監督の訃報に接しましたが、
広島県人としてこの事業をやっていなかったら悔いを残すことになっていたと思います。

最後の最後に、私たち市民・県民の思いが伝わり、
監督も、広島を愛しながら逝かれたのではないだろうか……と、思うものです。

また、監督作品を若い人たちに見てもらう機会となり、
監督作品ばかりか脚本作品の上映も望む声もありました。

映画館関係者の現場では若いスタッフに
監督作品の良さを知ってもらうことができました。

何よりも「生きているかぎり 生きぬきたい」という監督の言葉を広く普及でき、
その言葉に触発された若い人たちが、自分たちの表現を始めるなど、
若い人たちへの反響も大きなものとなっています。

このように本事業の目的である、
新藤兼人監督が故郷広島へ込められた思いを
次世代へ引き継ぐために大きな財産を残すことができ、
やるべき役割は果たせたと思います。

今後も新藤兼人作品の上映やアーカイブの整備などを通して、
監督の思いが受け継がれていくことを望みます。

最後に、本事業に寄せられた皆様方の多くのお言葉、
いただいた多くのご支援・ご協力に対し、感謝いたします。

2012年7月5日

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